世界経済を支えるIMFの仕組み

国際通貨危機が起きた時にIMFが果たす役割

国際通貨危機と言われても、ピンとこない人も多いと思います。そもそも国際通貨危機とは、各国の発行する通貨の価値が暴落することにより、あらゆる商取引に悪影響を及ぼしたり、急激なインフレやデフレを引き起こすことで、各国の国内経済を破綻させることもある、複合的な経済危機のことです。それが単一の国だけではなく、周辺の国や同一の経済圏にある国などにも波及することが、いわゆる「国際通貨危機」と呼ばれる現象になります。

1997年に起きたアジア通貨危機では、タイのバーツ、韓国のウォンなどが影響を受けました。当時の各国が経済好況に沸いていたのを見て、多くの外国人投資家がドルを売りバーツやウォンを買い、すぐに売り抜けることで為替差益を得ていたのです。また、為替相場を有利に保つために「空売り」と呼ばれる予定発注を入れ、そのことによりドルとバーツ、ドルとウォン、それぞれの相場をドル有利に保つことも行っていました。

しかし、タイや韓国の経済成長が鈍化すると、一気に投資家たちは資金を引き揚げ、その結果バーツやウォンの価値が半年で半減するなどの通貨危機に陥り、通貨の価値を維持するために大量の資金を投入した各国政府も財政破たんの危機に陥ったのです。このような「複数の国に影響を及ぼす通貨危機」やそれに伴う「各国政府の財政危機」に対して、IMFは緊急融資を行い、国家経済の破たんを防ぐ役割を担っています。

ちなみにIMFは資金を「融資」していることは、重要なポイントです。あとで利子をつけて返させるのです。ちゃんと返してもらわねばなりませんから、結果的にその国の財政改革や市場開放など、貸している立場として強制的にその国の改革を促したり、場合によっては財政部局を管理下に置くこともあるのです。アメとムチを使い分けるIMFは、案外したたかです。