世界経済を支えるIMFの仕組み

IMFが各国に強気で提言できるその理由

IMFが時に一国の政府よりも強い発言力を持っている、その大きな要因は何と言っても「国際連合」の一組織であることが挙げられます。もともとIMFは先進国が出資した第三者機関としての意味合いはもちろん、公平に経済問題を裁定してくれる審判の役割を持たせてあることも、強い発言力を持っている要因になっています。

最近IMFが強い発言力を発揮しているのは、2010年に起きたギリシャ経済危機です。これは、ギリシャの国家財政が粉飾されていたことが発覚し、多くのギリシャ国債を購入していた投資家たちが一斉に資産を引き上げたことで、実質的にギリシャ経済が破たんした出来事です。

IMFでは、このギリシャ経済危機に際し、まず粉飾がまかり通るような国家財政や組織機構の改革を強制的に推し進め、それらの改革の見返りとして追加融資に応じるという強硬策に出ました。同時にヨーロッパ諸国にIMFが主導して債権放棄を要請し、国家間の借財については実質棒引きになってしまうような対応策をとりました。いずれの諸外国も、ギリシャの経済に影響を受けて自国の経済に悪影響を及ぼすよりは、貸した金を棒引きにしてこれ以上深刻な問題に足を突っ込まないようにしたいという意向を反映させた対応策でした。

これらの策の数々には、IMFの積極的、かつ強権的な提言や指導が関与しています。一国の政府よりも発言権がある、まさにその所以を実証したのが、ギリシャ経済危機におけるIMFのリーダーシップだったと言えるのです。